2016年2月4日

連載「成長への道 2016車流通インタビュー」(18) オートコミュニケーションズ 玉野 寛明 社長

日刊自動車新聞 : 第4面 国内マーケット

Auto Communications 新車に半額で乗れる「ワンナップシステム」を20年以上前から展開。
「オニキス」のチェーン名で残価設定型クレジットの先駆けとなった。
玉野寛明社長は2015年3月から、母体である日昇自動車販売(東京都世田谷区)の社長と兼任。
就任後、オニキス復活へ、ワンナップシステムに加えて、車検と個人向け自動車リースを素早く立ち上げた。

―車検と個人向けリースの新ブランドをスタートした
「加盟店からの強い意欲を感じている。
ワンナップシステムだけでなく、新たに『ウルトラ車検』、個人リースの『フラット7』を用意した。
両方とも日昇自動車販売で実績を重ね、船井総合研究所の協力でパッケージ化。
仕組みを作っただけでなく、勉強会の場を用意している。
これらに参加して、車検台数や車両販売が増えたという実績を積み上げたい」

◆どの会社でも80点取れる中身
―ウルトラ車検の強みは
「日昇自販の熊本店でウルトラ車検を展開していた。
ここは年間5千台の車検を行っており、その実績をベースにした。
車検チェーンにはさまざまな形態がある。
フランチャイズチェーン(FC)できっちりと台数を追いかけるところもあれば、ボランタリーチェーン(VC)で加盟店主体に取り組むところもある。
その中間がない。
会社の評価はお客様の数でもある。
車両販売だけではお客様は減るばかり。
車検を切り口にお客様を増やすことを目指す。
パッケージの中身は、どの会社がやっても80点が取れるようにシステム化した」

―フラット7の生かし方は
「3店舗でトライアルを行い、チラシで集客してその7割が成約に至った。
残価設定型クレジットを取り扱ってきたスタッフからすると、似たような仕組みのリースは売りやすいという。
特に均等な支払金額には女性が興味を持っている。
しかも、契約となれば7年間のお付き合いができ、板金塗装や自動車保険といった周辺利益が期待でき、次の代替えも見込める。
車検のパッケージ化で船井総研との接点ができ、彼らも個人リースにも興味を持っていることが分かった。
そこで月々払い専門店研究会を立ち上げ、こちらも協力していくことにした」

―オニキス再生の道は始まったばかりだ
「社長就任後、半年かけて加盟店240社をすべて回った。
このとき加盟店の社長と店舗の様子を実際に見られたことが大きかった。
何を求められ、何をすべきかが明確になった。
まずは新たなツールとして車検とリースを導入したが、これで終わりではない。
これらを使ってもらい、どう儲けてもらうかが大事だ。
加盟店の商売に役立つことをオニキス本部がどれだけできるかが問われている」

◆保有ビジネスへの転換が急務
―16年の展望や課題は
「加盟店数は最盛期の半分になった。
ただ、そのときに月会費の大半をテレビCMや新聞・雑誌での広告宣伝にあてていたからこそ、いまでもオニキスのブランド力と求心力が残っている。
ただ、今後は販売だけでなく、保有ビジネスへの転換が急務。
次の消費増税までの1年ちょっとの期間で、お客様との関係をどう築くかが大事。
われわれも加盟店も勝ち残りに向けたラストイヤーともいえる」
(栗原 浩之)

 

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